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Airbnbが欧米で、そして日本で、なぜ流行っているのか

Airbnb
(写真=PIXTA)

 昔から欧米には「Vacation Rentals」(空き部屋貸し)という習慣がありました。それをネットビジネスに生かそうとした若者たちが2008年、アメリカで民家での宿泊の仲介をする「Airbnb(エアービーアンドビー)」というサービスを立ち上げました。

 今回はAirbnbという旅先での新たな宿泊方法が、日本や欧米で流行している理由を考えてみたいと思います。

世界的な広がりを見せるAirbnb

 日本語版のAirbnbのサイトは、「190カ国超の地元の家で、暮らすように旅をしよう」をキャッチコピーに掲げ、年々利用者数を伸ばしてきました。2008年にアメリカで始まったAirbnbは、世界約190カ国・3万4,000以上の都市で約200万部屋が登録されており、利用者数は世界で年間25,00万人、月間100万人です。この1年間の伸びは前年比で3倍以上、今後さらなる成長が見込まれていますが、欧米と日本では少し様相が異なっているようです。

 遊休資産を貸し出したい「ホスト」と、そこに泊まりたい旅行者の「ゲスト」。昔から欧米には、空いた部屋を他人に貸す「Vacation Rentals」の習慣があり、旅行もパッケージツアーよりも個別手配が主流でした。欧米の人が旅行に求める「体験の喜び」の潮流に乗って、Airbnbは急拡大しました。試算されているAirbnbの市場価値は、世界70カ国に展開しているアメリカの高級ホテル「マリオット・インターナショナル」(日本では「マリオット」や「リッツカールトン」の名前で知られています)を上回るとも言われています。

日本でAirbnbが拡大した背景

 日本の宿泊先のスタイルは、主にホテル、日本式旅館、民宿、ペンションなどです。厚生労働省の統計では、ホテル数は9,800施設(2014年)であり、2000年の8,200施設よりも順調に増えているのに対し、旅館(民宿、ペンションを含む)は4万3,000施設(2014年)で、2000年の6万4,000施設より減っており、全体としてはむしろ減少傾向にあると言えます。

 このところ中国や東南アジアの新興国の経済成長は目覚ましく、富裕層が急増しています。また、日本政府が取った金融緩和策などを背景に、外国為替市場で急速な円安が進んでいます。観光立国を謳う日本政府は、訪日外国人を増やす政策として「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を始めて、ビザ条件を緩和しました。これにより訪日外国人は急増したものの、それを受け入れるための宿泊先が足らず、Airbnbの普及を大きく後押ししています。

 訪日外国人旅行客の4分の1を占める中国人は、ホテル泊のパック旅行が中心です。例えば、大阪のホテルは2016年2月の春節休暇中、90%以上の部屋が埋まっていますが、そのほとんどが中国人観光客だそうです。その一方、日本で2~3週間滞在する英語圏の外国人は、ホテルとAirbnbの両方を使い分けているようです。中国人観光客の激増で宿泊先を確保できなくなった英語圏の外国人旅行客をAirbnbが救ったという側面もあるようです。

日本の民泊、Airbnb規制の行方

2016年2月時点でも、日本では「民泊」に関する法規制や運用ルールの方向性が定まっていません。

 現在の法律に照らし合わせると、「民泊サービスを繰り返し提供する」ためには、旅館業法の営業許可が必要という解釈になっています。2014年には東京都足立区で自宅内の数部屋を貸していた英国人が、また2015年には京都で分譲マンションをまた貸していた人物が、それぞれ旅館業法違反(無許可営業)で摘発されています。

 「国家戦略特区」に指定された東京圏、関西圏、福岡、沖縄などの全国6エリアでは、自治体が条例で民泊に対する規制を緩和できるようになりました。東京・大田区が2016年2月から規制緩和をスタートさせ、大阪市、大阪府(堺、東大阪、豊中など中核市をのぞく)がそれに続く予定です。ただし、規制緩和の対象は、6泊7日以上に限られているほか、農山村地域における「体験型民宿」は旅館業法の適用外となりました。

 政府内にも、旅館業法の「簡易宿所(カプセルホテルなど)の面積基準を緩和することで営業許可を取らせる」方向と「法律規制は緩やかにして、届出制にする」方向で意見の違いがあるため、2016年3月末をめどに調整が続くと見られています。

宿泊施設の不足を民泊が代替する

 2013年に1,000万人を超えた訪日外国人数は、今後も増えると予測されます。東京オリンピック開催の2020年に2,000万人というのが政府の目標でしたが、3,000万人へ引き上げるという発表がありました。「通常のビジネス・観光客は、ロンドン五輪(2012年)の例でも混雑を避けて落ち込むので、東京五輪期間中は東京と周辺地域のホテルで対応可能」(日本政策投資銀行、2014年)という予測がありますが、それはやや楽観的過ぎで、宿泊施設は足りなくなるではないかと思われます。

 さらにその10年後、「2030年に訪日外国人3,000万人」という政府目標を展望するレベルに私たちは到達したようです。そう考えると、Airbnbのような空き部屋をシェアするタイプの民泊サービスは、今後さらに広まっていくと考えるのが自然です。

まとめ

 日本は民泊に関する法規制が厳しかったものの、自然発生的にAirbnbを提供する民家やマンションが増えました。国家戦略特区の指定を受けて、東京都大田区や大阪市・府などは、条例を制定して、制限付きで「民泊」を認める制度も始まりました。

 円安で外国からの観光客は増えて、中でも好景気が続く中国からの観光客が急増したため、既存の宿泊施設を利用できなくなった英語を使える人がAirbnbに流れたことも、Airbnbの増加に影響しています。

 2020年の東京オリンピックに向けて、国は法整備を進めることになるでしょう。不足している宿泊施設の補完として、民家やマンションのシェアリングサービスであるAirbnbのような民泊スタイルは、今後間違いなく増えることになるでしょう。

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