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シェアリングエコノミーを代表するAirbnbに対して、日本の法律はどうあるべきか

シェアリングエコノミー
(写真=PIXTA)

 最近よく耳にするようになった、「シェアリングエコノミー」をご存知ですか? 「有形・無形を問わず、個人が持つ遊休資産の貸し出し仲介サービス」のことを指しており、シリコンバレーを起点として急成長を続けています。シェアリングエコノミーのサービスを介して、貸す側は自分の資産を活用することで収入が得られ、借りる側は、他人の資産をリーズナブルな金額で一時利用することができます。

 シェアリングエコノミーの例を挙げると、日本を含む58カ国でサービスが展開されている「Uber」は、今いる場所から車で移動したい人とドライバーをマッチングさせるサイト。タクシー会社や個人ドライバーなどと提携しており、利用者はスマートフォンから気軽に配車を依頼することができます。

Airbnbはシェアリングエコノミーの代表格に

 2016年2月現在、シェアリングエコノミーの機能を持つ最も知名度が高いビジネスは、「Airbnb(エアビーアンドビー)」でしょう。2008年にアメリカのサンフランシスコで創業された世界最大手の民泊仲介サイトです。

 現在、Airbnbは世界190カ国で、合計100万件を超える物件が登録されています。日本でも2013年9月に日本語版のサイトがオープンし、現在では47都道府県すべてにAirbnbの登録物件があります。Airbnbによる経済効果は大きく、日本では2014年7月〜2015年6月までの1年間に2219億円の経済効果がありました。

 Airbnbを利用すれば、リーズナブルな価格でマンションやアパートに宿泊することができます。ほかの宿泊者がいない貸し切りタイプの部屋なら、まるで自宅のように気楽に過ごせることでしょう。また、ホテル顔負けのおしゃれな内装や設備を整えた物件も多くあります。以前から旅行好きの間では知られていましたが、訪日観光客の急増に伴い日本でも登録物件が増え、その認知度はますます広がっています。

Airbnbの規制は国によって異なり、日本でも法整備を検討中

 2015年から、民泊に関する規制緩和の議論が政府内で進められており、2016年中に規制緩和の方針が発表される予定です。

 日本で宿泊施設を営業する場合は、旅館業法に従う必要があります。Airbnbは有料で利用者を宿泊させる活動を継続的に行うので、旅館業法上の営業許可を取る必要があると言うことが指摘されています。しかし、Airbnbに現在登録されている物件のほとんどは、営業許可を届け出していません。旅館業法において、Airbnbは極めて微妙な立ち位置にいます。

 実は旅館業の営業許可を受けるためには、客室面積や帳場の設置などに関する様々な規定をクリアする必要があります。そのため、マンションやアパートなどで、現状の旅館業法のルールに則りAirbnbの営業を認めてもらうことは、ほぼ不可能なのです。

 その一方で、訪日観光客の急増や2020年の東京オリンピック開催決定で、日本の首都圏では宿泊施設不足が深刻な問題になっています。Airbnbの登録物件が訪日観光客の宿泊場所として役に立っていることもあり、監督官庁も政府も、それを「黙認」してきたようです。

 しかし、Airbnbの登録物件増加で苦情やトラブル件数が増えており、政府は旅館業法を改正して、一般の住宅でも合法的に民泊を実施させるつもりでいます。

 国家戦略特区で民泊条例が制定された東京・大田区では、この2月から民泊が解禁されました。区内の事業者からの申請もあり、2月上旬から本格的な運用が開始される予定です。しかし、民泊が解禁されたからと言って、大田区全域で民泊のサービスが提供されるわけではありません。民泊条例の中には、民泊が不可能な地域や最低宿泊日数などの制限が定められています。

Airbnb発展の背景には、国や自治体でのルールづくりがあった

 Airbnb創立の国であり登録物件が最も多いアメリカでは、6つの州でAirbnbに関する規制法案が制定されています。その他の14の州でも、規制法案が制定される可能性があります。

 例えば、オレゴン州のポートランドでは合法化されていますが、Airbnbのホストが旅館業の許可を得る際には180ドルの認可料の支払い、近隣に通知するなどの義務が付けられています。ほかにも、宿泊税の義務化など、ホテルの運営と同等の規制を求められている州もあります。

 ヨーロッパでは、自治体ごとにAirbnbの運営を管理しているケースが多く見られます。例えばオランダのアムステルダムでは、年間60日以上までの営業かつ、宿泊人数が1日4名以内などの短期滞在の条件を満たせば、自治体への届出が不要となっています。ただし、違反した場合にはサイト上から登録物件を削除することを、自治体とAirbnb側が約束するなどのルールが定められています。

 2016年には、訪日観光客は2000万人を確実に突破すると予想されています。Airbnbの利用者も同様に増加する事でしょう。Airbnbに関する法律が整備されない限り、トラブルや事件・事故の増加が懸念されます。

まとめ

 さて、今回のテーマである「日本での民泊をめぐる法律はどうあるべきか」という点を考えてみましょう。日本での民泊に関する規制緩和の動きは、大きく分けて以下の2つです。

 1) 旅館業法の適用外となる国家戦略特区内での条例化
 2) 全国を対象にした 「簡易宿所」扱いとするルールづくり

 このうち、先の大田区の例は1)になりますが、あくまで「国家戦略特区の一部」という限定的な位置付けになっているのが現状です。そのため、2)の全国を対象としたルールづくりが待たれるところですが、正式に発表されるのは、2016年秋に行われる政府の有識者会議の報告後となるため、もうしばらく時間がかかります。

 Airbnbは世界中で急速な広がりを見せていますが、国や自治体レベルで、何らかのルールや規制を定めている所がほとんどです。今後、日本国内で健全に民泊を拡大させていくために、民泊受け入れを前提にした全国共通のルール作りが待たれています。

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