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Airbnb物件へリノベーション? 中古物件を有効活用する新しいアパート経営とは?

Airbnb
(写真=PIXTA)

 年功序列・終身雇用制度の崩壊や、少子高齢化による公的年金制度の危機が叫ばれるなか、将来に不安を感じ、老後の資産を確保するために不動産投資を始めたという方は意外と多いのではないでしょうか。“サラリーマン大家”という言葉が流行っているのも、そんな風潮の表れのような気がします。

 こうした状況の中、新たな不動産ビジネスとして注目されているのが「民泊」です。今回は、思うように収益をあげられない中古物件を、「民泊」として活用するという新しいビジネスについて、その社会的背景も合わせて解説します。

「民泊」世界中の若者を中心に需要高く

 今、世間では一軒家やマンション、アパートなどの空き部屋に格安で泊まる、「民泊」と呼ばれる宿泊形態が注目され、若者を中心に需要が伸びています。空き部屋を貸す人をホスト、借りる人をゲストと呼び、インターネットのマッチングサイトを通じて部屋の予約や貸し出し、利用料金の支払いなどが行われています。

 民泊マッチングサイトの中で世界最大規模を誇るのが、米国発の「Airbnb(エアビーアンドビー)」です。世界190か国、3万4000以上の都市に1200万件を超える物件が登録されており、宿泊者数の累計は6000万人に上ると推計されています。このため「民泊=Airbnb」と表現されることも多く、今やAirbnbは民泊の代名詞として認知されています。

訪日外国人の増加に追い付けない宿泊施設

 米国では、「Airbnb for Business」という新たなビジネスが生まれるほどAirbnbが活用されていますが、日本国内のAirbnbの登録数は約2万1000件。東京エリアだけで1万件ほどですから、まだまだその活用度、認知度は低いと考えられます。

 一方、2015年の訪日外国人旅行者の数はどうだったでしょうか。

 円安や2020年に開催される東京五輪・パラリンピックの影響もあり、訪日外国人旅行者の数は、増加の一途をたどっています。2015年の訪日外国人旅行者の速報数は1973万7400人(推計値)で、最も多かったのは中国からの旅行者(約500万人)でした。

 これを受けて、2015年の延べ宿泊者数は5億545万人泊と初の5億台を突破し、客室稼働率の年間値はシティホテルが79.9%、ビジネスホテルが75.1%で、大阪府や京都府では、90%近くになるなど極めて高い稼働率を示しました(一般的に客室稼働率は80%を超えると予約が取りづらい状況になると言われています)。これらの結果から、ホテルの供給不足はもちろんのこと、民泊できる物件自体も、まだまだ足りていないことがお分かりいただけるかと思います。

空き家を利用した民泊特化型のビジネスモデル

 日本ではホテルの供給不足が深刻になる一方で、空き家が増大しています。2013年には空き家率が13.5%と、8軒に1軒が空き家であったことが明らかになりました。人口減少が急速に進む中、空き家は賃貸・管理業界、不動産業界全体の大きな問題となっています。

 この問題を解決するアイデアの一つが、空き家を利用して急増する訪日外国人旅行者を受け入れる「民泊特化型」の部屋を運営する新しいビジネスモデルです。

 アパートの場合は、一戸での月額収入はマンションより落ちるでしょうが、グループ旅行などを対象にアパート1棟を丸ごと民泊施設として運用できれば、区分マンションよりも、高い稼働率と賃料収入が期待できるかもしれません。

 空き家物件の場合、空室を埋めるためにオーナーは、賃料を下げたり、礼金や敷金を0にしたりするなど収益力が低下する方策をとりがちですが、「民泊OK」物件は需要があるにも関わらず部屋数が少なく、今は売り手市場ですので、周辺の相場より高い家賃で借りてもらえる可能性が高いです。

民泊ビジネス、国も後押し

 民泊を後押ししているのは、何もリノベーション会社や不動産会社ばかりではありません。空き家問題の解決と訪日外国人旅行者の滞在環境向上のため、国が積極的に推し進めています。

 ある民間シンクタンクの調査によれば、東京五輪開催前後にホテルの客室数は1万室不足するとされており、観光立国を目指す日本として、ホテル不足を早急に解決しなくてはいけないという事情も絡んでいます。

 ただし、民泊を始める際には気を付けねばならないことがあります。現状の旅館業法では、宿泊施設として認められているのは消防法をクリアし一定の専有面積を持ち部屋やフロントなども完備した、ホテルや旅館に限定されています。一般の住宅に他人を宿泊させ、宿泊代を払ってもらう民泊は、現状、旅館業法違反に当たります。

 そこで国は2014年に、東京都や大阪府など、外国人旅行者が多く訪れる都市を「国家戦略特区」として定め、特区にあり一定の条件(①賃貸借契約に基づき7~10日以上の使用、②台所、トイレ、浴室、冷暖房の完備、③内閣総理大臣、都道府県知事の認定など)を満たす空き部屋で民泊を行う場合に限り、旅館業法の規定の適用除外とし、違法にならないと定めました。

 この他にも「外国人滞在施設経営事業に関する通知及び改正省令」などで、民泊のルールを明記、周辺住民とのトラブル回避のため、近隣住民に民泊を行う旨を周知させることや、苦情窓口を設置することなどが盛り込まれています。

まとめ

 羽田空港のお膝元の大田区や、関西空港からの外国人観光客が多い大阪府では、すでに特区を活用した民泊条例が定められ、大田区ではすでに2物件の民泊利用が認められました。

 現在、政府主体の『「民泊サービス」のあり方に関する検討会』で、民泊に関する話し合いがなされています。今後、民泊ビジネスを拡大させるためにも、ホストとゲストの両方が恩恵を受けられるような法整備が待ち望まれています。そうした動きと並行して、中古物件を民泊向けにリノベーションするケースが徐々に広がるものとみられています。

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