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相続税対策で不動産投資は本当に有効ですか? 節税のポイントをまとめてみた

相続税
(写真=PIXTA)

 2015年1月に改正相続税法が施行され、相続税の基礎控除が6割に縮小されました。これにより、相続税の課税対象者が増えることになります。これまで「自分の家族には関係ない」と考えていた人の中にも、相続税対策のために不動産投資に関心を持たれた方がいるのではないでしょうか。今回は、不動産投資がどのように相続税の節税につながるのか、いくつかのポイント、注意点をまとめて解説します。

相続税の計算方法

 まず相続税の計算方法について理解しておきましょう。

 相続税額は以下の計算式で算出されます。
 (①相続資産総額-②基礎控除額)×③相続税率-④税額控除

 ①の「相続資産総額」の中には、借金などマイナスの資産も含まれます。プラスの資産とマイナスの資産の合計額から、さらに葬儀費用などの費用を差し引くこともできます。

 ②の「基礎控除額」は、現在は「3000万円 + 600万円 × 相続人数」となっています。例えば夫が亡くなった場合で妻と子供3人が相続人となる場合は、相続人数が4人で5400万円です。

 上記計算式で、相続税率と税額控除額は「①相続資産総額-②基礎控除額」の額によって変わってきます。

表1
  
 「②基礎控除額」「③相続税率」「④税額控除」は、いずれも自動的に決まってしまうため、相続税の節税においては「①相続資産総額」の評価をいかに低く抑えるかが重要になります。

ポイント1.現金・有価証券よりも不動産で相続したほうが評価が低くなる

 不動産を所有することで相続税が節税できるのはなぜでしょうか。これは、現金や有価証券の資産としての評価が「時価」であるのに対し、不動産の資産としての評価は「路線価や固定資産税評価額」に基づく計算で算出され、時価よりも低い資産評価額になるためです。

 不動産の評価は、土地と建物に分かれています。土地については、国税庁が毎年7月に発表する相続税路線価を使います。土地の時価を算出するのは難しいため、土地の前の道路に割り振られた相続税路線価に土地面積を掛けて評価額とすることになっています。

 この路線価は、市場価格の80%程度の水準と言われています。そのため、仮に1億円の土地を保有していれば、相続の際に課税対象となる資産評価額は8000万円程度に下げることが可能となるのです。

 建物の評価は毎年送られてくる固定資産税の納税通知書に記載された固定資産税評価額が、そのまま相続資産としての評価額になります。この固定資産税評価額は、新築当初だと建築工事費の50~60%程度の水準で評価されます。

ポイント2.不動産の賃貸による借家権割合で、相続資産の評価額がさらに下がる

 不動産は活用方法次第でさらに評価額を下げることが可能です。それは不動産を賃貸物件にすることです。商業施設やオフィス、アパート、マンションなどを賃貸物件として貸し出すのです。

 例えばアパートを建築すると、建物には30%減の借家権割合(※1)による評価減が発生します。また、土地については「貸家建付地評価減」というものが適用されます。これはアパートを建てることにより、その土地は使用が制限され自由に売ったりすることができなくなるため、更地の時よりも土地の評価を下げるという制度です。

 貸家建付地評価減は以下の計算式で算出されます。
 路線価 × ( 1 - 借地権割合(※2) × 借家権割合)

※1)借家権割合:賃貸物件で通常の家屋の評価額に対する貸家の評価額の割合
※2)借地権割合:土地の権利が借地権の場合に、更地の時価に対する借地権の価額の割合

 借家権割合は全国一律で30%です。借地権割合は前面道路に個別に割り振られています。仮に借地権割合が70%のところであれば、上記の計算式に基づき、
 ( 1 - 0.7 × 0.3) = 0.79
となり、評価額を2割程度下げることができるわけです。

ポイント3.小規模宅地の特例制度で、相続資産の評価額がさらに減額

 相続財産の中に居住用の宅地が含まれているケースで、特定居住用宅地等に該当する場合は330平方メートルまでの部分を限度として80%が減額されるという特例があります。

 特定居住用宅地等とは、被相続人が居住するために使用していた宅地等のことで、これを被相続人の配偶者など一定の相続人が取得したものをいいます。なお、事業用の宅地等についても一定の要件に当てはまる場合には、軽減措置が適用できます。これについては、適用要件が複雑なので、事前に税理士などに確認することをおすすめします。

まとめ

 相続税対策は、不動産投資によるものだけではありません。子供の「住宅取得資金」「教育資金」などの形で贈与を行うと一定額までの贈与は贈与税が非課税になるため、生前に贈与を行っておいて死亡時に残る財産を減らしておくという方法もあります。上記の不動産投資による相続税対策と組み合わせて、検討しておくとよいでしょう。 

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