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なぜ賃貸住宅の空室率が上がっているのか? そしてその対策は?

空室率
(写真=PIXTA)

 賃貸住宅の空室率上昇が続いています。その背景には、人口減少で住宅需要が減っていくにもかかわらず、毎年、数十万戸の規模で新築住宅が供給され続けていることがあります。今回は賃貸住宅の空室率が上昇し続けている理由と、その対策についてお伝えしたいと思います。

進む「空き家・空室」問題

 総務省統計局の「住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約(2013年)」によると、空き家数は820万戸を超えて空き家率13.5%となりました。今後も少子化等の影響で増加するとみられています。この数字は、賃貸物件の空室率に限らず、賃貸用、売却用、二次的住宅、その他の類のすべてが含まれているものですが、これだけ空き家が増えていく状況では、賃貸住宅の空室率上昇は避けられないものと思われます。

 繰り返しになりますが、賃貸物件を含むすべての住宅がすでに「供給過剰」の状態にあるにも関わらず、人口減少による住宅需要の減少の中、新築の供給がさらに続いているわけで、「需給ギャップ」がどんどん拡大しているのです。

 では、こうした状況下の空室対策には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。

家賃保証会社やサブリースを利用する

 ご存知の方も多いでしょうが、空室時の「家賃保証」をしてくれる会社や、物件を一括で借り上げる「サブリース」を行う会社があります。

 家賃保証はたとえ空室でも毎月の家賃を保証してもらえる仕組みです。サブリースはアパートなどですべての部屋を管理会社に一括借上してもらうものです。これらの契約の場合、保証手数料が取られるので、一般的に毎月の家賃の8割程度の収入が、確実に入ってくるというイメージを持っていれば良いと思います。なお、家賃保証やサブリースでは、事業者によって査定価格が異なることも少なくありません。できるだけ複数の会社から見積書をもらうようにしましょう。

家賃設定や入居対象者を見直す

 一定以上の築年数が経過した物件では、家賃保証やサブリースの利用が適さないことがあります。その場合は所有物件周辺の家賃相場を確認し、相場より高い場合は家賃を見直す必要があるかもしれません。家賃を少し下げるだけで内見者が増え、入居につながる可能性もあります。また家賃だけでなく、敷金や礼金も見直しましょう。

 また、「シェアハウス」の形態に変更したり、「ペットの飼育可」というような入居条件を変更したり、「壁紙変更などのプチリノベ可」と打ち出したりして、物件に特色を打ち出す方法もあります。

 特にシェアハウスのような独自性を打ち出すことで、駅徒歩10分以上の物件でも高稼働率を達成している例が数多くあります。生活保護受給者や外国人向けに部屋を貸すといった試みを始めているオーナーもいます。

入居者のニーズに合ったリフォームを

 築年数が古い物件では、入居者の退去後に修繕やリフォームを行わないと、新しい入居者を獲得することはかなり難しくなっていきます。原状回復のためのありきたりのリフォームではなく、その街に住みたいと思っている入居者のニーズを的確に捉えたリフォームを施しましょう。コストは抑えつつ、ツボを押さえたリフォームをすることで空室率の低下につながります。リフォーム専門に行う業者も増えているので、一度相談してみるのも良いかもしれません。

 また、最近はDIYやプチリノベが流行していますので、入居者が入居前に「好きな壁紙を選べる」、入居後に「室内のDIYが可能」といったアピールも考えられるでしょう。

サービスの質が高い管理会社を選ぶ

 大家としては家賃を払ってくれる入居者のことばかりを考えがちですが、実は外観の維持やエントランスの清掃、クレームの処理などをしてくれる管理会社が大変に重要で、もし空室が続いている場合は管理会社の見直しが必要かもしれません。

 建物の顔ともいえるエントランスが汚れていては、内見してもらっても契約に至る可能性は低いでしょう。まずは、共用部分の清掃の徹底など「当たり前」の管理をしてもらうことから始めましょう。管理会社が提供するサービスと、あなたが支払う料金のバランスが取れているかが大切です。

入居者集めのキャンペーン対応

 賃貸物件の部屋を探す時、現在は8割以上の方がパソコンや携帯電話、スマホなどを使って検索しているといわれています。

 アパートやマンションの入居者が決まりにくい場合は、フリーレントや初期費用無料などのキャンペーンを行い、何かアピールできる点をネット媒体などに掲載する物件情報に盛り込むのもひとつの手です。

 こうしたキャンペーンを行えば、確かに収益率は低下します。しかし、何もせずに空室が続くような状況よりもはるかに良いですし「1か月家賃無料」や礼金なし、敷金を少なめに設定したほうが家賃を下げるよりも収益が減りません。こうしたキャンペーンは一時的に収益が減りますが、複数年で計算すると、家賃の値下げよりもはるかに収益が減らないのです。

民泊の転用

 最近、一部の大家さんの間で注目を集めているのが、「Airbnb」(エアビーアンドビー)です。

 Airbnbとは、2008年に米国で創業された、旅行者に対して空き部屋を仲介するサービスです。2015年11月時点で、Airbnbに登録されている日本国内の物件数は約2万件あり、前年と比べておよそ4倍近くも増えています。最近はこうしたサービスを総称して「民泊」と呼ぶようになっています。

 なお、認可を受けていない者が有料で宿泊サービスを提供することは、旅館業法に抵触し違法とみなされる可能性があります。しかし、2020年の東京オリンピックを待つまでもなく東京や大阪などの大都市では、海外からの旅行者向け宿泊施設が不足しています。観光収入に大きな期待を寄せている国や地方自治体は経済特区を設置して規制を緩和し、民泊を許可していく方針を打ち出しています。

 こうした外国人旅行客向けの民泊を空室対策として取り入れて、収益率を大幅に改善する事例も出てきています。民泊転用は十分に検討する価値があります。

まとめ

 今後も、日本国内での空室率の上昇は避けられないでしょう。それは入居者獲得競争が次第に激しさを増すことを意味しています。

 賃貸管理で地道な改善策を徹底することはもちろんですが、それでも空室が埋まらなければ、それまで避けていたような思い切った対策を打ち出していくことが必要かもしれません。今回ご紹介したような空室対策も、ぜひ参考にしていただければと思います。

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